なぜ発酵食品が身体によいと言われているのか

なぜ発酵食品が身体によいと言われているのか

2023.March

最近、自家製味噌を作ったり、発酵食品を積極的に食事に取り入れてる方が増えてきました。

発酵食品は、消化を促進する・栄養素の吸収を改善する・免疫機能を向上させる・発がんリスクを低減するなど、さまざまな健康上のメリットがあると言われています。

徐々に注目を浴びている「発酵食品」

なぜ体に良いと言われているのか、正しく理解していますか?

発酵食品の摂取の仕方を間違えたり、正しい選び方を知っていないと、健康に悪影響を与える可能性があります。

健康的な生活を送るために、発酵食品の正しい知識を身に付けましょう。


①そもそも発酵って何?

 発酵は微生物の働きの結果

微生物のはたらきによって食べ物が元の状態から変化し、人間にとって有益に作用することを「発酵」と言います。

空気中、土の中など、私たちのまわりには、あらゆる菌などの「微生物」がいます。

私たち人間が食べ物を食べて生きているように、微生物も生きるために食べ物に取りついて栄養を取り入れ、どんどん増えていきます。

微生物のはたらきによって食べ物が元の状態から変化し、人間にとって有益に作用することを「発酵」と言います。

そして、微生物が食べ物に取りつく作用を利用した食品を「発酵食品」と呼んでいます。

一方、食品が腐り悪臭を放ったりして人間にとって有益とはいえない変化,目的とは異なる変化を起こす現象は「腐敗」と呼ばれます。

同じ原料であっても作用する微生物によって発酵と腐敗とに分かれるのです。

 発酵食品に含まれる微生物の種類

発酵食品に含まれる微生物の種類は、製品によって異なります。

例えば、納豆に含まれる納豆菌、味噌に含まれる麹菌、キムチに含まれる乳酸菌

他にも、麹菌・酵母菌・酢酸菌などがあげられますが、どれも身近な食品に直結しています。

これらの微生物が発酵食品に与える影響は、食品の風味や香り、栄養価、保存性などに関わっています。

乳酸が増えると他の雑菌が増殖しにくくなるため、保存性が高まります。

原料が微生物の力で分解され発酵する過程で、アミノ酸やイノシン酸成分が生まれ、うま味のもととなります。



②発酵食品の種類

発酵食品には様々な種類があります。

一般的によく知られているものには以下のようなものがあります。

味噌大豆、米、麦などを発酵させたもの
醤油大豆、小麦、塩などを発酵させたもの
キムチキャベツなどの野菜を乳酸菌で発酵させたもの
ヨーグルト乳を乳酸菌で発酵させたもの
パン小麦粉や水、塩、酵母などを混ぜて発酵させて焼いた食品。
米や大豆を麹菌で発酵させたもの
 世界で発展する発酵食品

日本の納豆の匂いや食感が欧米人に受け入れがたいように、一般に発酵食品は匂いや食感等クセの強いものが多く、生活風土が異なる民族間にとっては抵抗感が大きいと考えられます。

この事から食文化は,気候を始めとする様々な環境に適合し食が民族に伝え継がれて来て構成されているものと考えられます。

例えば、東南アジアや東アジアの地域では高温多湿な気候が水稲の耕作に適しておりまた、周囲を海に囲まれた生活環境 があり海水からの塩と豊富に獲れる魚を保存して魚醤が得られるようになりました。

中央アジアから西の地域およびヨーロッパの放牧民族の生活では家畜から得られる重要な食料である乳の保存中に できたチーズやヨーグルトが伝統的な発酵食品となりました。

このように、どの民族にも発酵食品が伝えられていることは興味深いですね。


③発酵食品が及ぼす体への影響

 
 人間と微生物の関係性

人間の生活は微生物との関わりが深いです。

微生物はあらゆる環境に存在し,食品の腐敗や発酵に関与し,さらに食中毒や感染症の発症,自然界の物質循環に関与しています。

人は微生物と共に生活しています。

微生物の見られない場所はむしろ特殊な環境と言えます。

微生物のはたらきによって食べ物が元の状態から変化することを「発酵」と冒頭に説明しましたが、微生物の活動は、人間の体内の腸内環境にも重要な影響を与えています。

腸内には細菌が住んでいて、健康維持や免疫力の向上に重要な役割を担っているため、発酵食品を摂取することで、腸内環境の改善につながるとされているのです。

 発酵食品の体内への影響

発酵食品には、様々な体への良い影響があります。

以下に代表的なものを挙げます。

  • 消化器官への良い影響
    発酵食品には、消化酵素を含むことが多く、胃腸の働きを促進し、消化吸収を助ける効果があります。また、乳酸菌などの微生物が腸内環境を整えるため、便秘や下痢などの腸の不調を改善することが期待されています。
  • 免疫力向上
    発酵食品に含まれる乳酸菌や酵母菌などが、腸内環境を改善することで、免疫力を高める効果があります。また、発酵食品には抗酸化作用のある成分も含まれるため、体内の老化や疾患の予防にも役立つとされています。
  • 栄養価の向上
    発酵食品には、原料に含まれる栄養素が微生物によって分解され、より吸収しやすい形に変化することがあります。 例えば、納豆に含まれるビタミンKや、麹に含まれるビタミンB群が、発酵によって増加することが知られています。
  • 食品の保存性向上
    発酵食品に含まれる乳酸菌や酵母菌などが食品を酸性化することで、微生物の繁殖を抑制し、食品の保存性を向上させる効果があります。
  • 栄養素の吸収を改善する
    発酵食品には、ビタミンミネラル酵素など、身体に必要な栄養素が豊富に含まれています。また、発酵によって、栄養素の吸収がより容易になります。
  • 発がんリスクを低減する
    発酵食品には、がん予防に役立つ成分が含まれています。たとえば、キムチや納豆には、抗酸化作用のある成分が含まれており、がん予防に効果があるとされています。

④発酵食品の取り入れ方

 和食を食べる

日本の食文化には、発酵食品を上手に取り入れる伝統があります。

  • 納豆
  • 味噌
  • 醤油
  • みりん
  • 梅干し
  • ぬか漬け

これらは、日本食として代表的なものでありながら、すべてが発酵食品です。

和食を積極的に食べることで、自然と発酵食品を取り入れる事が出来ます。

 意識して食生活に取り入れる

発酵食品を日々食べるためには、 普段から発酵食品を意識して食生活に取り入れるようにするという方法もあります。

例えば、朝食に納豆やヨーグルトを食べる、お昼にキムチや味噌汁を食べるのも良いでしょう。

外食の際に、例えば「焼肉屋さんでキムチを注文する」など、発酵食品を選んで摂るようにするのも手です。

自分で発酵食品を作る

自家製味噌や、ぬか床など発酵食品を自分で作るのもおすすめです。

最近では、家庭で簡単に始められるキットの販売もありますので、一度検討してみても良いかもしれません。


⑤発酵食品を上手に選ぶ5つのポイント

正しい発酵食品の選び方については以下のポイントがあります。

 ①製造元やブランドの信頼性を確認する

信頼できるメーカーやブランドから製造された発酵食品を選ぶことが大切です。

 ②原材料を確認する

原材料に適切な品質管理が行われているものを選ぶようにしましょう。特に大豆野菜などの原材料は、農薬や化学肥料などの残留物にも注意が必要です。

 ③賞味期限を確認する

賞味期限が過ぎたものは、品質が低下している可能性があるため、食べるのは避けましょう。

 ④味や香りを確かめる

自分の好みに合う香りのものを選ぶと、食べるのが楽しくなります。

 ⑤食べ方や摂取量を考慮する

食べ方や摂取量によっては、過剰な摂取による健康被害のリスクもあるため、適切な量を守りましょう。

間違った発酵食品の選び方については以下のようなポイントがあります。

◎安価なものを選ぶ

発酵食品は、製造工程や原材料の品質管理などに時間と手間がかかるため、高価なものが多いです。安価なものは、品質や製造工程に問題がある可能性があるため、避けるようにしましょう。

◎加工品を選ぶ

加工品は、原材料がどうであれ、製造工程によっては発酵効果が失われたり、添加物が含まれていることがあります。できるだけ、自然な形で発酵させたものを選ぶようにしましょう。

◎原材料を確認しない

発酵食品は、原材料によって製造方法や効果が異なるため、原材料を確認して自分に合ったものを選ぶことが大切です。また、原材料の品質にも注意しましょう。

◎賞味期限を無視する

発酵食品は、賞味期限が短いものが多いです。賞味期限が過ぎたものを食べると、品質が低下している可能性があるため、避けましょう。

◎味や香りだけで選ぶ

味や香りは、発酵食品の重要な要素ではありますが、品質や製造工程なども重要なポイントです。ただし味や香りは、過剰な添加物や人工香料などで調整されている場合もあるので、あまりにも強い香りや味は避けましょう。

以上のポイントを参考にして、正しい発酵食品を選ぶようにしましょう。


⑥東京でこだわりの発酵食品が買えるお店

微生物カフェHITONAMI(大田区)

東京大田区にお店を構える「微生物カフェ・HITONAMI」では、自身もアレルギーを持ちながらも、食を通して体質を改善してきたというオーナー自らが、厳選した発酵食品が物販として販売されています。

今回はその中から、人気の3品をご紹介いたします。

 ●自家製おから味噌

550円

おから味噌とは、大豆の製造工程で発生するおからを原料として作られる味噌のことです。

おからは大豆から豆乳を搾り取った後に残る、豆の皮や種子の部分で、食物繊維たんぱく質、ビタミンミネラルなどが豊富に含まれています。

おから味噌は、このおからに味噌菌を加えて発酵させることで作られます。

おから味噌は、味噌に比べて低カロリーであり、食物繊維やたんぱく質などの栄養素が豊富に含まれているため、健康に良いとされています。

また、おからの繊維質が腸内環境を整える働きがあり、便秘解消にも効果があります。 味噌汁やお吸い物、炒め物、和え物などに広くお使いください。

風味は味噌と似ていますが、やや粘り気があり、コクがあります。

また、大豆アレルギーの人でも食べられるというメリットもあります。

 ●霜里醤油

850~1,850円

埼玉県小川町で1971年から続く霜里農場において、無農薬・無化学肥料で育てた大豆と小麦を100%使用した逸品醤油。 原材料は無農薬。 大豆は青山在来で、美味しくて濃いお醤油です。

お刺身、冷奴、お料理の味付けに。 まずはそのものの美味しさを味わってみてください!

原材料:大豆(青山在来)、小麦、塩

 ●こめはな

550~700円

こめはな「梅こうじ」は、自家製の甘酒と梅干をベースに、本鰹節、海苔、生姜、麻の実、麻炭といった厳選素材7種を混合した万能発酵健康調味料です。

麻炭はデトックス効果があると注目の素材です。各食材が持つ優れた効能に加えて、発酵食品の持つ酵素が各栄養素の吸収率をアップしてくれます。

「梅こうじ」は、健康食品としてそのまま食べても美味しいですが、ご飯のお供にも、ソースやドレッシングなどの調味料としても使用できます。

パスタと混ぜる、惣菜と和えるなどご自分の好みに合わせて毎日の「発酵生活」をお楽しみください。

微生物カフェHITONAMI